この辺りで今回テーマにしたスコープドッグ制作の背景を書き残しておきます。
ガンダムや同様のアニメ好きな方は「装甲騎兵ボトムス」に登場するスコープドッグはご存知だと思います。スコープドッグは劇中での設定上、人間が搭乗するアーマードスーツ(呼称が正しいかは分かりませんが)として登場。高さ約4メートルという人型の戦闘マシンです。1983年に放映され、現在でもコアなファン層を持つこのアニメでは、様々なタイプのスコープドッグが登場しますが、最も基本的な汎用機として位置づけられているのが「ATM-09-ST」型です。プラ模型も当初、玩具メーカーのタカラ(現タカラトミー)が生産販売していましたが、同社の模型事業からの撤退もあり、現在では「装甲騎兵ボトムス」のアニメを制作しているサンライズを傘下に収める玩具メーカー、バンダイが新たに金型を製作・販売し現在に至っています。アニメの人気で見ると、圧倒的にガンダム人気が高いのですが、メカ的な嗜好性はスコープドッグの方が身近に感じます。原寸で4〜5mという設定は現実的に再現出来そうな大きさでもあります。最近ではお台場に原寸大ガンダムや原寸大の鉄人28号など、現実世界に存在するとこんな感じというサンプルとなるような物がありますが、今回のような3dcgモデルとして作るなら既存の模型とは違ったアプローチをしてみたいという気持ちが強くありました。
今回制作資料としたのは数年前から収集していたガンダムやボトムスなどアニメ模型が多く紹介されている「ホビージャパン」のバックナンバーや基本となる模型の構造を理解するために、バンダイから販売されている模型の「20分の1 SCOPEDOG」をベースにしています。
ユニークなところでは、ネット上で、鉄製原寸大スコープドッグを制作された倉田光吾郎氏を知り、氏のブログ「http://monkeyfarm.cocolog-nifty.com/」で見た原寸大スコープドッグに大きな衝撃を受けました。鉄で出来たスコープドッグはその素材感にリアリティがあり、ガンダムのように数百年先の未来といった設定と異なり、近未来に存在していても違和感のない存在感を示していました。そんな素材感も表現してみたいひとつです。
3DCGの世界では映画「トランスフォーマー」を筆頭にロボット系はハイクオリティなものが次々に世に出ていますので、今更に「リアル」に作っても…と思いつつ、個人的な嗜好で模型を作るホビー感覚でフルスクラッチスタイルのロボット製作をしてみたいとして考えていたのと私自身ロボオタというよりネジ等が好きなメカフェチという表現が近いタイプの人間が作るとこうなるという事を実験してみたかったのです(笑)。