さて、実はこれからが本番です(笑)。ここまでのモデル制作プロセス画像のレンダリングは背景にHDRを用いた環境照明での画像でした。今回のモデルは実際の撮影スタジオと同じようなライティング設定で画像を制作することが本当の目的です。
今回のレンダリングでは、多くのライトを使用するような方法をせず、大きなパネル状のエリアライト1灯のみでライティングをしています。クルマを商品として細部まで見せるならば様々なライティングをする事になるでしょうが、一枚のイメージ写真として演出するなら今回のようなシンプルなライティングが効果的です。
昔、某広告制作プロダクションでクルマ広告関連の仕事を手掛けていた時期があります。そこでは主にカタログを制作していた事もあり撮影現場には頻繁に行きました。当時はデザイナーとしての経験が浅い事もあり見るもの全てが新鮮でした。特にクルマの場合は体育館のような大きなスタジオで撮影をしながら長期に渡り拘束されることになりますが、その間撮影に関する様々なライティングや撮影のための工夫を体現出来た事は大きな経験と知識になりました。そうした現場の経験が3DCGに活きてくるとは夢にも思いませんでした。
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こちらは背景に平面画像を使用し、環境光に同じ背景のHDRI画像を使用してボディへの写り込み用とライトとしての効果を持たせています。実景との合成はこの方法がベストです。現時点ではHDRI画像を環境光として使用する、この手法がもっとも写実的な画像を演出出来ます。
このレンダリング画像では環境光に背景の写真を使っているのですが、太陽光を設定した無遠限ライトと相まって、不思議な光のコントラストが演出出来ました。レース場でのシーンという事もあり、アンバランスなトリミングのレイアウトにしました。